美しくなるために知る栄養学⑵2014年11月29日
今さら聞けない「栄養」について。
栄養素にも色々な種類があり、大きく分けて6種類に分類されます。まず、体の中でエネルギーになるものを3大栄養素といいます。これには、糖質、脂質、たん白質の三種類があります。次に、エネルギーには直接なりませんが、体の代謝、生理機能をスムーズに行う栄養素としてビタミン 、ミネラルがあります。3大栄養素にビタミン、ミネラルを加えたものを5大栄養素といいます。食物繊維は体内で消化を受けませんが、さまざまな生理機能があり、第6の栄養素であるといえます。私たちの体を車にたとえると、脂質と糖質はエネルギー源になるので、ガソリンにあたります。たん白質もガソリンになりますが、本来はミネラルの一部とともに、車体や部品になるべき成分です。ビタミン、ミネラル、食物繊維は、体の調子を整える役割ですので、潤滑油 (オイル)にあたります。健康のためには、これらの栄養素を、毎日バランスよく摂取する必要があります。
外食ではどのように栄養を図れば良いの?
しかしながら、外食や中食など自分で調理しないものを食べる場合、食事に含まれている食品がわからないことも、しばしばあります。でも、簡単に栄養バランスを保つ方法があります。それは、「主食・主菜・副菜=3つのお皿」をそろえることで、食事のバランスを保つ方法です(図4)。これなら、外食や中食でもチェックが簡単にできます。「主食」は、ご飯、パン、めんなどで、主に糖質を摂取できます。「主菜」は、魚、肉、卵、大豆などで、主にたんぱく質や脂質を取ることができます。「副菜」は、野菜、いもなどを使った料理で、おもにビタミン、ミネラル、食物繊維の供給源です。しかし、主食・主菜・副菜がそろっていても、それぞれの量が少ないと、必要な栄養量が確保できません。そのため、十分な量を確保することが重要です。大体1食につき、主食と共に、1皿50g以上の量を、主菜は1~1.5皿程度、副菜は1~2皿程度とるのがよいでしょう。また、カレーライスなど、1皿に主食・主菜・副菜が含まれるような料理の場合は、それぞれのお皿に分解して考えます。
食事バランスガイド 摂取量の目安(身体活動量普通以上の12~69歳の女性)
栄養のバランスを大切にした食事習慣を作ることが大切。
また、農林水産省が作成した「食事バランスガイド」を参考にする方法もあります。「食事バランスガイド」とは、1日に「何を」「どれだけ」食べたらよいかを、コマをイメージしたイラストで示したものです。ただし、毎日バランスの完璧な食事を取ることは困難です。「食事バランスガイド」は、1日単位で過不足なく調整するものではなく、1週間程度の期間で考え、ほぼ適量の範囲内におさまっていれば問題はありません。大体でいいので、適度な摂取量を目指しましょう。
文 : 管理栄養士 林 史和 先生